そう語るのは、韓国は大邱 出身のオモニ(お母さん)、権京蘭。
広島市と姉妹都市関係にある大邱で育ち、銀行員として平凡に生活をしてきました。
結婚をして1年後、日本で暮らす夫を追って日本に着いたのは1989年1月8日。まさに“平成“の幕開け当日でした。新しい日本と一緒に歩み出したような、そんな運命的な思いにワクワクしたものです。
それから3年後、今の地に居を構え、自分でお店を出したいといろいろと勉強をしていましたが、やはり慣れ親しんだ韓国の家庭料理を通して、日本と韓国の橋渡し役ができれば…という思いに駆られて、平成8年に『トラジ』をオープンしたのです。
『トラジ』というのは、植物の桔梗(キキョウ)のことで、韓国では有名な民謡のタイトルにもなっています。
あれから十数年、地域の人々にも支えられ、愛して頂いて、続けてくることができました。今では、敬老会や児童館などの催しで、チマチョゴリを着て踊りを披露したり、韓国料理の講習会を依頼されたりと、この地で、本当に楽しい毎日を過ごしています。
日本の文化を感じることも大好きで、日本舞踊も習い、若い人の言葉で言う「ハマって」います。
お客さんの話を聞くのも大好き。皆さんの話を聞いていると、私自身がどんどんやる気が湧いてきます。好奇心が旺盛なんですね。そういう私を見て、「元気が出てくるよ!頑張る!」と言ってくれるお客さんもいらっしゃるのは本当に嬉しいですね。
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